B弁護士日記(ツグミをとってもいいという法律改正は出来ないか?)

 

  ツグミ                                              

                                        美和 勇夫 

 

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 ツグミがウマイ季節になった。 

  

 ツグミはシベリア大陸で大量に繁殖し、10月に中国へ渡り、一部が越冬の為、日本へ飛んでくる。 

 (中国大陸では、捕獲され食われほうだいである)

 群れをなして、日本海、北陸を経て、わが東濃地方へいらっしゃる。 

 ツグミは、 焼くと非常にうまい。 レアーで食べる人もいる。 

 知る人ぞ知る【珍味】であるが、日本での捕獲は違法とされている。 

 「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」があるが裁判官もご存じない。 

 

 私の高校時代、秋がふかまる頃、山に「かすみあみ」を張って、一網打尽にツグミをつかまえ、警察署長や代議士、地方の名士,迷士、そのスジの人らが(呉越同舟)、山の中で焼き鳥にして宴を催していたものである。

 (飲酒運転も、やり放題の頃である)

 

  

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   カスミあみにかかったツグミ

 

 

(その後、野鳥の会によるツグミ捕獲用のかすみあみ設置摘発などで、多治見,中津、恵那、可児警察などが捕獲者を逮捕するようになり、今ではあまりおおっぴらにはお目にかかれなくなっている) 

 

 青年会議所時代、修道院での「佐藤陽子・ヴァイオリン演奏会」のあと、多治見の料理屋へ出かけた時のことである。

(まだ多治見の料理屋でもツグミは出ていた)

 

  同伴の芥川賞作家、池田満寿夫(遠い海から来たクー)が焼きたてのツグミのあたまを口に入れ数回かんだが、

 ほろにがさの為にはき出した。

      

  すると、国際ヴァイオリニストで美人のほまれ高い佐藤陽子が

    「あなた、どうしてこんなにおいしいものが食べられないの?」

  そう言いながら、池田満寿夫が人前で口から吐き出したツグミの頭をひょいとつまんで食べてしまった。 

 ことほどさように、ツグミはウマイのである。

 

 

 

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  ツグミをとらえて食べることは、世界中で違法とされる行為ではない。

  「ピレネー山脈の向う側では正義とされることがこちら側では悪となる」ということわざがあるように、山ひとつ越えれば正義の評価は異なることはよくある。

     

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 鳥獣保護及び狩猟に関する法律は、「汝、殺すなかれ、盗むなかれ」の万国共通の殺人罪や窃盗罪とは罪質が違う。

  「殺し」や「盗み」は万国どこへ行っても違法性の濃い犯罪である。 

 

  ツグミをとらえることが犯罪となったのは昭和22年のG・H・Qの方針(バードデー)によったものであり、いわばアメリカ様の押しつけであった。 

 第二次世界大戦中に日本軍が外国人捕虜に「ゴボウ」を与えたところ・・・木の根を食べさせたと誤解し、戦後にBC級戦犯として「捕虜虐待の罪」で死刑としたアメリカさんのおやりになったことである。 

 

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  スズメをとって食っても犯罪とならないのは、「鳥獣保護及び狩猟に関する法律で、スズメが保護されていないからであり、ツグミが犯罪となるのは、「狩猟」してもよい鳥の部類から昭和22年にはずされてしまったことによる。

  

 

  だから、ことはかんたんで、ツグミを法律でもとの「狩猟鳥」にもどせばよい。

  ある日ニワトリを食ってはいかんという「にわとり保護の法律」を作ることと同じである。

  

 かって東濃地方で貧しい生活をしていて、ツグミのなによりのうまさをしる我々としては,是非そうしてほしいのだが,今のようにおいしい食べ物があふれる時代には人々の共感を生まない。

(若者や都会人はツグミを全く知らない)

 

 

 ツグミは熟したカキなどの果実、ネズミモチ・ハゼノキ・カラスザンショウ、ひしゃしゃぎの木の実を主食とし,ツバメ,シジュウカラのように害虫を駆除する益鳥の部類ではない。

(生ものを食べる鳥、ツバメ,サギなどは生臭くてとても食えたものではない)

 

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 野鳥の会は怒るけれども・・・・・・、

 ツグミをうまいと思って食うか食わないかはツグミへの「愛」があるか「慈悲」があるかの問題であって、絶対的な「正義」か「悪」であるかの問題ではなかろう。

(野鳥の会の皆さんだって、元は野鳥のにわとりはお食べになるだろう)